
医師:─アメリカではジェネリック医薬品が広く普及していると聞きます。やはり“同じ効き目なら安い薬を”という合理主義の反映でしょうか?
MR:それも一理あるでしょう。しかし現在の日本におけるジェネリック医薬品事情は、実は20〜30年ほど前のアメリカの現状によく似ていますよ。
医師:─そうなのですか。具体的にはどのように似ているんですか?
MR:アメリカでは1960年代から政府によるジェネリック医薬品使用拡大意識が高まり、それに伴いジェネリック医薬品メーカーも認知度向上のための消費者啓発を盛んに行いました。1970〜80年にかけては、官民協調によるジェネリック医薬品の消費者啓発が行われ、ジェネリック医薬品の礎が築かれていきました。
医師:─40年も前から・・・。アメリカはやはりジェネリック医薬品先進国ですね。
MR:ところがアメリカでも、現在の日本のようにブランド指向が高く、1980年代に入ってもアメリカの一般消費者はジェネリック医薬品の安全性や有効性に確固たる自信を持つことができませんでした。
医師:─では、どのようにしてシェアが伸びたのですか?
MR:それには「代替調剤制度」
代替調剤制度
医師が処方した医薬品を薬局で調剤してもらう際、その医薬品に対して、ジェネリック医薬品がある場合、薬剤師はその情報を伝え、患者さんの意思で新薬かジェネリック医薬品かを選ぶことができる制度です。といった国の制度など、政府の積極的な働きかけが大きく影響しています。1980年代に入り、日本の厚生労働省にあたるFDA(食品医薬品局)が自ら先頭に立って、積極的に啓発を進めました。FDAはジェネリック医薬品の使用率向上は、アメリカ国民のため、ひいては国のためという強い信念に基づいて、あらゆる機会を捉えて、ジェネリック医薬品の安全性と効果をFDA自身が保証すると宣言したのです。
医師:─国が保証するなら、国民も安心ですね。
MR:ジェネリック医薬品のシェアが50%を超えた今でも、こうしたPR活動は続けられているそうです。さらにジェネリック医薬品選定の際の公的なガイドブック「オレンジブック」
日本版オレンジブック
(http://www.jp-orangebook.gr.jp)
アメリカの厚生労働省にあたるFDA(アメリカ食品医薬品局)から発行されている本の日本版で、ジェネリック医薬品選定の際の公式ガイドブックです。品質再評価の試験結果が掲載された医薬品については、その品質が保証されていると言えます。を発行し、ジェネリック医薬品の品質を保証しています。
医師:─本当に国をあげて、積極的に取り組んでいるのですね。
MR:国だけではなく、大多数のアメリカ国民が加入する民間医療保険(マネジドケア)でもジェネリック医薬品での調剤を積極的に推進。高齢者や低所得者が加入する公的保険でもジェネリック医薬品での調剤が原則となっています。
医師:─今後もますます普及しそうですね。
MR:そうですね。アメリカでのジェネリック医薬品の売上は年々増加傾向で、5年後には倍になると予想されています。
※画像はモデルです。実際の病院、医療従事者、患者とは関係ありません。